ほとんどの学校のアドミッションズオフィスは
メインビルディングの中にあり,
各オフィサーの個室のほか事務所や広い応接室があります.
この応接室というか待合いのスペースが,
どこの学校でも一番立派な「お客様」のためのスペースです.

以前見学したタフトは学校全体が重厚な雰囲気ですが,
応接室は特にすばらしかったのです.
ヨーロッパの歴史あるホテルのロビーみたいでした.

ウィリストンノーザンプトンの応接室はおしゃれなプチホテル風.
こじんまりとして日本人には落ち着ける雰囲気です.
趣味のいい調度品に囲まれて
日本人の生徒達とお話させていただきました.

Aさんは美術をやりたくてこの学校に入ったという元気な女の子.
とにかく自分の好きなことを思い切りできて,
それが評価される今の学校に大変満足している,
ということでした.
大学もアメリカで美術をやりたい,と希望に燃えて
月並みな表現ですが目がキラキラ!という感じ.

Bさんはアドミッションオフィサーも太鼓判をおす
かなり学業成績優秀な男の子.
非常に大人っぽくしっかりした子でした.

Cさんはいかにもスポーツマンという感じのがっしりした男の子.
もともと東京の有名進学校の生徒でしたが
アメリカンフットボールが大好きで
「フットボールを真剣にやるならアメリカに行くしかない」
と決意したそうです.

しかしこの学校は本命ではなかった,と少しくやしそう.
もっとフットボールの強い学校を希望したのですが,
不合格だったとか.
大学は再びフットボールの強いところを目指す!
と執念を燃やしていました.

このように芸術,勉強,スポーツと,日本人だけでも
生徒の興味と能力が全く違うわけです.
学校全体ではさらに国籍,人種,宗教もいろいろ.
どこの学校も多種多様な生徒を集めるのに懸命ですが.

特にウィリストンノーザンプトンは
「多様性」にこだわる傾向が強いようです.
また,アイビーリーグや一流大学に入ることを
特に推奨していない,という態度です.
でも「結果としては」けっこう入っているんですよね.

「学校はあくまでも生徒一人一人が自分にとっての成功の定義を
見つける手助けをするところ.」と校長が石角氏に語ったそうです.
学校のポリシーは
「Find your own uniqueness.」「Define your own success.」

すばらしいですね!
ただ,本当にやりたいことが見えている子はいいですが,
そうでもない子(例えばタロー)にはかえって
しんどい世界とも言えます.